机の引き出しから出てきた半券
今日は一日雨でした。模型の作業は塗料が乾きにくいのでお休みにして、机の引き出しを片づけていました。
すると、奥から、サッカーの半券が出てきました。二年前の四月、はじめて観に行った試合のものです。高校をやめた二日後に、中学の友だちが「気晴らしにいかない?」と誘ってくれました。あまり気が乗らないまま、電車に乗ったのを覚えています。
席に着くと、思っていたよりずっと選手が近くて、ボールを蹴る音までよく聞こえました。ゴール裏のほうから歌が聞こえて、旗が揺れて、まわりの人がいっせいに立ちあがります。相撲の館内とはまるで違う空気でした。それでも、勝負を見つめるときの静かな熱は、どこか似ていました。気がつくと、何もかも忘れて見ていました。
帰りの電車で、友だちが「また行こうね」と言ってくれたのが、うれしくて。半券は、捨てられずに取ってありました。
今は、スタジアムに入れる人数も限られていて、声を出しての応援もできません。友だちとも、しばらく会えていません。ワクチンの話もちらほら聞くようになったので、またいっしょに行ける日を、半券を眺めながら待っています。引き出しには戻さず、机の前の壁に貼ることにしました。
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