ぬかが、段ボールから出てこない
小雨が続いている。外仕事は午前で切り上げて、昼前には家に帰ってきた。
猫は、玄関の段ボールに入ったまま出てこない。道具袋の替えの布が入っていた箱で、捨てずに置いておいたら、いつの間にか住みついた。灰色と白のぶちが、箱の口から顔だけ出している。おれが近づくと、曲がった尻尾の先がぱたんと一回だけ動いて、それで終わりだ。
うちに来て、もうすぐ二年になる。拾ったころは痩せて骨ばっていたが、いまは4kgほどあって、抱くとずしっとくる。湿気の多い日は、しゃっこい床をいやがって、箱や座布団の上から動かない。わかりやすいやつだ。
午後は針仕事で、ふきんの刺し子を二枚進めた。膝に布を広げていたら、箱からのそのそ出てきて、布の端に乗ってしまった。針が刺せないので、そのまま三十分ほど待った。まぁ、いいか。
夕方になってようやく降りて、水を飲んで、また箱に戻った。おれは晩酌を一合やって、猫は箱の中。手を動かすしかない日と、動かさなくていい日の違いだな(笑)
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