暖房のスイッチを入れるまでに、四十分かかった
朝起きたら、部屋が寒かった。外は曇りで、八度ほど。昨日の雨で、空気ごと冷やされたらしい。ニュースでは、立冬を迎えて、一部では12月並みの寒さと言っていたので、まあ、そういう季節ではある。
今季初めて、エアコンの暖房を入れる。入れるだけなら、リモコンを一回押せば済む話である。ただ、春から一度もフィルターを掃除していないのを、わたしは知っている。知っていて半年見ないふりをしてきたわけで、そのツケを日曜の朝に払う。
椅子に乗って、カバーを開けて、フィルターを外す。説明書の絵では、片手でも外せる感じに描いてある。実際には、両手と首と、凝りきった肩が要った。埃は案の定、灰色の薄いフェルトのようになっていて、これを紡いだら靴下一足分くらいはありそうだった(誰も得をしない)。風呂場で流して、乾かして、戻す。ここまでで四十分。
スイッチを入れると、最初の数分はあの独特の、焦げたような埃のにおいがする。掃除したのに、である。奥のほうは手が届かないので、仕方がない。においを逃がそうと窓を少し開けたら、指がかじかんで、結局すぐ閉めた。暖房のために部屋を冷やす。順番がおかしい。
いまは部屋が二十二度になって、膝に毛布をかけて、これを書いている。暖かい。肩は痛い。午後は積んであるローグライクを一本崩す予定で、楽しみというより、もう動きたくないだけですけどね。
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