ススキを取りに行く役が回ってきた
来週の日曜が十五夜である。カレンダーの隅に小さく書いてあるだけなのに、うちでは祖母がひと月前から気にしている。要するに、行事の担当は祖母で、わたしたちは参加者でしかない。
今日は朝から霧雨で、帰り道の空は灰色のまま暗くなった。眼鏡のレンズに細かい水滴がついて、前がよく見えない。コンタクトにすればいいのだろうか。いや、違う、目に何かを入れる勇気がない。結局、信号待ちのたびにシャツの裾でレンズを拭く自転車通学の高校生になった(拭くほど汚れる)。
夕方、祖母が居間でススキの話をしていた。毎年、潮野の海沿いにある浜の見晴らし台の下の草むらで刈ってくるのだそうで、今年は膝が心配だから、わたしに行けるかと聞かれた。体力に自信はないが、断る理由もない。往復で自転車を二十分ほど漕ぐ。案の定、翌日の筋肉痛を今から覚悟している。
団子は母が作るらしい。甘いものは好きなので、そこだけは真面目に手伝うつもりである。文芸部の先輩には、月の話を書くなら見上げるだけでなく調べろと言われた。十五夜と満月は、必ずしも同じ日ではないそうだ。うんちくとして覚えておく。当日が曇りなら、丸いのは団子だけになる、まあ、そういうことです。
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