実家の玄関で、まず足元を見た
火曜日は休みだったので、昼前に車で実家に寄った。霧雨で、じめっとした日。窓を開けるほどではないけれど、閉めきると少し蒸す。
玄関を開けると、まず足元に、ももが来た。十三歳になって、耳も遠くなったらしい。それでも、私の足音だけは分かるようだ。目の上の白い眉みたいな毛が、前より少し増えた気がする。しゃがんで、あごの下をかいてやると、巻き尾がゆっくり揺れた。
母は台所で、保育園の仕事から帰ったところだった。顔を見るなり、「髪、のびたね」と言う。座らせて、リビングで前髪とえりあしだけ切った。新聞紙を敷いて、洗濯ばさみで髪をとめる。お店では絶対にやらない雑さだ。母は、切っている間ずっと、近所の人の話をしていた。頭が動くたびに、手を止めて、元の位置に戻す。
帰りぎわ、母が袋に、野菜をどっさり入れてくれた。一人暮らしの冷蔵庫には、多すぎる量だ。断ろうかと思ったけれど、受け取った。車に乗る前に振り返ると、ももが玄関の内側から、じっと見送っていた。
部屋に戻って、袋の中身を並べた。しばらくは、野菜を食べ続けることになりそうだ。
コメント
のりまき
霧雨の日の運転、路面がすべりやすいので気を使いますよね。お疲れさまでした。
霧雨の日の運転、路面がすべりやすいので気を使いますよね。お疲れさまでした。
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洗濯ばさみで髪とめるの、雑すぎて笑った。でもお母さん相手だとそうなるよね〜