短冊に書いたのは、ひとつだけ
七夕は昨日だった。部室の入口に、顧問の先生が笹を立てていて、紙の短冊が机に積んであった。ひとり何枚でもいいらしい。
私は一枚だけ書いた。「秋のコンクールで、ハモりきる」。願いごとというより、目標の宣言に近い。お願いするだけでは足りない気がして、「ハモりきる」と言い切る形にした。こういうところが、友だちに「かたい」と言われる理由だと思う。
隣の席の子は、五枚くらい書いていた。「背が伸びますように」「数学の追試がありませんように」など。読んでいて笑ってしまった。正直で、いいと思う。弟にも聞いてみたら、「サッカー、ベスト8まで行ってほしかった」と言っていた。ワールドカップはもう終わったので、それは短冊では間に合わない。
家に帰ってから、ギターを少し弾いた。左手の指先が、前よりかたくなってきた。弦を押さえても、前ほど痛くない。合唱の短冊と別に、ギターで一曲を通して弾けるようになる、というのも書けばよかったかな。ただ、昨日は晴れで風も弱く、笹は部室の中で、ほとんど揺れなかった。来年も同じ短冊を書くなら、それまでに「ハモりきる」が本当にできているかどうか、ちゃんと確かめたい。
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