祖母の毛糸の帽子、まだ現役
祖母の顔を見に行ってきた。仕事のあと、夕方の霧雨のなかを歩いて五分。元気そうで、まじで安心したっちゃ。
78歳、ひとり暮らし。背中は丸いけど、手はずっと動いてます。今日もこたつで何か縫っていて、わたしが入っていくと「ほら、座れ座れ」と座布団を出してくれた。世話を焼くのはこっちの役目のつもりなのに、先に焼かれる。
わたしが小さいころに編んでもらった毛糸の帽子が、まだ箪笥の引き出しにあった。ちょっと色あせて、てっぺんのぼんぼんがつぶれてる。祖母は「あんたの頭にはもう入らねえべ」と笑っていた。いや、入るかどうかはともかく、編み目が揃っててガチで驚いた。わたしのマフラーは三回ほどいたのに。目の数え方を聞いたら「数えねえの、手が覚えてる」だって。参考にならないっちゃ。
帰りぎわ、膝がいずいと言うので、とりあえず湿布を貼ってあげた。母にも電話しておいた。今度の休みは、毛糸を持っていって、隣で編ませてもらおうと思う。ま、いっか、教えてもらえなくても、手元を見てるだけで勉強になるし。
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「手が覚えてる」って、長年編んできた人の言葉ですね。隣で手元を見るのは、いちばんの勉強になりますよ。