むぎの、ひざの上の十分間
朝のうちは雲が厚く、風の強い一日でした。最低気温が5.9℃まで下がったせいか、起きてすぐにむぎが布団の足もとへやって来て、ごろごろと喉を鳴らしました。九歳になって、動きはずいぶん落ち着いたと思います。しっぽの先が少し曲がっているのは、迎えた十年近く前から変わりません。
このところ、夫が家にいるようになって、むぎの居場所が少し変わりました。以前は窓辺が定位置でしたのに、午後になると夫のひざの上で丸くなっています。夫は新聞を読みながら、動かないように、じっと座ったままです。トイレに立つのも我慢しているようで、見ていておかしくなります(ふふ)。数えてみたら、きのうは十分ほど、ひざの上にいました。
長男が結婚して、家を出た子は二人とも、それぞれの暮らしを持ちました。静かな家に、むぎを迎えた日のことを思い出します。あのころの子猫が、いまは夫と二人の午後を、いちばん近くで見ていてくれる。しみじみ、ありがたい存在ですね。
さて、今夜は風が冷たそうです。むぎ用の小さな毛布を、ソファの端に出しておきましょう。ひざの上が空いたときの、とっておきの場所にしてくれたらいいのですが。
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