席が一つ、前に動いた
雨の降る朝でした。傘をたたんで会社の入口に立つと、濡れた紺のジャケットが肩に重くて、梅雨はまだ明けないのだと思いました。
課長補佐になって、三か月と少しになります。部下は五人。これまでは自分の仕事を正確に仕上げれば足りましたが、いまは五人ぶんの締め切りが頭に入っていないといけません。今月は月次決算の前で、朝いちばんに全員の進み具合を表にして確認しています。表は自分で作ったものですが、書き込む数字が増えて、遠近両用のメガネで見る位置にもようやく慣れてきました。
先日、若い部下が仕訳の誤りを一件、申し訳なさそうに報告してくれました。金額は小さなものでしたが、見つけてすぐ言ってくれたことがありがたかったので、まずそのことを伝えました。直し方は一緒に確認して、同じ間違いが起きない手順を、ノートに二行だけ書き足しました。責任は、最後は自分にあります。そう思うと背筋が少し伸びますね。
帰りの電車では、雨の音を聞きながら座れました。それにしても、人に教えるというのは、自分がどれだけ分かっていないかを知ることでもあります(ふふ)。映画のノートと同じで、書き直すたびに、少しずつ帳尻が合っていく気がします。
コメント
ゆあがり
ありがとうございます。あの日は雨の音がちょうどよく、ひと息つけました。
ありがとうございます。あの日は雨の音がちょうどよく、ひと息つけました。
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雨の音を聞きながら座れた帰りの電車、いい場面ですね。雨の日の画面は、古い映画でもよく印象に残ります。