霧雨の中の、石段の数
火曜の午後、仕事が一段落したので、西峰公園のほうへ歩きました。朝から霧雨で、傘をさすほどでもなく、上着の肩だけがしっとりしていきます。四月も下旬になると、雨でも空気がやわらかいものです。
公園の奥に、小さな神社へ上がる石段があります。数えたことがなかったので、今日は一段ずつ数えてみました。四十二段でした。ちょうど、人が息を整えるのにいい数だと思いました。苔が濃くなっていて、段の角だけが乾いた色をしています。
上まで来ると、社殿の軒先に、雨粒が一列に並んでいました。落ちそうで落ちないものが、風で少し揺れては、また元の位置にもどります。しばらく眺めていて、お賽銭を入れるのを忘れかけました。
帰りは、同じ石段を降りながら、また数えました。のぼりより、降りのほうが一段多く感じたのは、気のせいでしょう。眼鏡についた細かい水滴を拭くと、見慣れた道が、少しだけ輪郭をはっきりさせていました。
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