母が買ってきた、あったかい靴下
パートから帰ったら、玄関に紙袋が置いてあった。中身は母が買ってきた厚手の靴下で、三足で千円ほど、自分の分だという。
理由は聞かなかった。たぶん、先週の水換えのあとに足が冷えると言ったのを、母が覚えていたのだと思う。台所でひとこと言っただけなのに、母はそういう話をよく拾っている。とにかく、その場で履いてみた。あったかい。
父は夕飯のあと、無言で新聞を広げて、そのまま居間で寝てしまった。溶接の仕事がある日は、だいたいこうだ。いびきが水槽のポンプの音より大きいのに、ネオンテトラは気にしていないようだった。
妹からはLINEが来て、年末は仕事が詰まっているので、今年は帰れるか微妙らしい。母は画面を見て少しだけ黙り、それから「ごはん、ちゃんと食べとるかね」と言った。自分は「大丈夫でしょ」としか返せなかった。まぁ、口下手だ(笑)。
よし、明日も早起きして、水槽の様子を見るぞ、自分。祖母の句帳をめくったら、冬の句が一つだけあったので、ひとまず書き写しておく。
足袋ひとつ母の手ぶくろ冬ぬくし
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