傘をさして走る気は、今のところない
金曜。朝から雨だった。梅雨らしい、ちゃんとした雨。
通勤は車なので、濡れる心配はあまりない。ただ、駐車場から職場の入口までの二十メートルで、靴下が湿った。たった二十メートルでこれだ。雨の日の自転車は、やはり無理だと思う。
定時で上がって、まっすぐ帰った。部屋に置いてあるロードバイクを、しばらく眺める。チェーンに薄くオイルを足して、ボトルを洗った。走れない日の整備は、わりと楽しい。走っている時間より、むしろ丁寧かもしれない。自分で言っておいてなんだが、少しおかしい。
明日の予報も微妙で、晴れなら川沿いを走りたい。ただ、路面が濡れていると、白線の上が滑る。この前、橋の継ぎ目で後輪がずるっと動いて、一人で静かに焦った。だから、乾いてからにする。
雨の日に家でできることは、そんなに多くない。洗濯物は乾かない。部屋の空気も重い。それでも、除湿機の音を聞きながら、自転車の写真を見返す夜は、悪くなかった。悪くない、というだけで、晴れてほしいのは変わらない。
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