実家の玄関で、スリッパが一足増えていた
日曜に、実家へ帰った。車で一時間ちょっと。一人暮らしを始めて一年半になるが、帰るのは三回目くらいだ。
玄関に、見慣れないスリッパが並んでいた。客用らしい。母に聞くと、「あんたが来たとき用」と言う。客扱いか。ツッコもうとして、やめた。履いてみたら、普通に履き心地がよかった。
父は相変わらず、テレビの前で新聞を読んでいた。テレビも見ている。どっちかにしてくれと思うが、昔からそうだ。妹は大学の用事で出かけていて、夕方までいなかった。部屋の前を通ると、ドアに知らない予定表が貼ってあった。妹も、知らない間に忙しくなっている。
帰り際、母が米と漬物と、なぜか使いかけの洗剤を持たせてくれた。洗剤はいらないと言ったが、「どうせ買うでしょ」で押し切られた。たしかに買う。
帰りの車の中で、スリッパのことを考えていた。自分の部屋のスリッパは、一足しかない。増やす予定は、とくにない。
今日は月曜で、いつもどおり出勤した。机の横に洗剤は置いていないし、洗剤の話は誰にもしていない。
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