シュレッダーの紙詰まりを、三回直した
入社して二か月と少し。研修は先月で終わって、いまは生産管理の部署で、先輩の隣に座って仕事を覚えている。
今日の担当は、納期表の入力と、在庫の数合わせ。表計算ソフトの画面を眺めていると、数字が全部同じ顔に見えてくる。大学の実験データと似ているが、こっちは間違えると工場のラインが止まるらしい。先輩にそう言われてから、セルをクリックする指が少し慎重になった。
昼前、不要になった納期の紙をまとめてシュレッダーにかけた。三回詰まった。三回目で先輩が来て、「紙は一枚ずつ入れるんだよ」と言った。説明書にも書いてあるらしい。部品の納期は調整できても、シュレッダーの機嫌は調整できない。
午後は、取引先からの電話を取り次ぐ練習をした。「少々お待ちください」を言うタイミングが、まだつかめない。早すぎると感じが悪いし、遅いと保留のボタンを探している間に相手を待たせる。結局、保留を押して深呼吸してから先輩を呼んだ。
帰りの車は、いつもより信号が長く感じた。仕事を覚えるのは、たぶん紙を一枚ずつ入れるのに近い。分かってはいるが、まとめて入れたくなる。明日は休みなので、まとめて寝ることにする。
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