考察の欄が、いつまでも埋まらない
物理実験のレポートが、まだ終わらない。提出は来週の月曜。今日の木曜は、塾のバイトが夜にあるので、実質あと数日。
実験自体は、振り子で重力加速度を測るだけ。簡単だった。ところが、結果が理論値から微妙にずれた。ずれたのはいい。問題は、考察の欄に「なぜずれたか」を書かなければいけないこと。糸の伸び、空気抵抗、ストップウォッチを押すタイミング。思いつくのは、だいたい最後の「人間の反応速度」。要するに、押した自分のせい。それを、もう少しそれらしい言葉で書く作業になる。
講義のほうも、静かにつらい。出席は取らないが、後ろの席は常に埋まっている。前のほうは、いつも空いている。自分も、後ろ。教授の板書は字が小さく、消すのが早い。ノートを取り終える前に、黒板が白くなる。誤差論の回だけ、異様に集中して聞いていた。いま思えば、あれは予感だった。
塾では、中学生に「ちゃんと見直しなさい」と言っている。自分のレポートは、見直す以前に書き終わっていない。ツッコミどころしかない。
震災のあと、節電で大学の廊下は暗めのまま。レポートを書くには、夜の家の机のほうが明るい。皮肉なものだ。今夜は、考察の最初の一行だけでも書く。
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