最後の一行を先に読んでしまう癖
日曜日は朝から小雨が降っていて、一日、家で本を読んで過ごしました。窓の外が白っぽく、雨の音がずっと小さく続いていて、読書にはちょうどよい天気でした。
読んだのは、先週、駅前の本屋で買った短編集です。八編入っていて、どれも十数ページと短く、一編ずつ区切って読めるのがよい本でした。なかでも三つ目の、古い時計を直す人の話が気に入りました。時計の中身の描写が細かくて、歯車が一つ噛み合うたびに、登場人物の気持ちも少しずつ動いていきます。派手なことは何も起こらないのに、読み終えてしばらく、ページを閉じられませんでした。
白状すると、私は買った本の最後の一行を、先に読んでしまう癖があります。本屋でぱらぱらめくるうちに、つい目が行くのです。今回もやってしまったのですが、最後の一行だけでは、話の筋はまったくわかりませんでした。それどころか、読み終えて同じ一行に戻ってきたとき、はじめて意味がわかって、少し驚きました。先に読んでおいたことで、答え合わせをしたような、不思議な読み心地になりました。ネタバレというのは、案外、文脈がなければ何の役にも立たないものなのですね。
夕方までに五編まで読みました。残りは、今週、通勤の電車の中で少しずつ読むつもりです。
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