衣替えの前の日、母の着物を一枚
明日から六月、衣替えです。病院の外来でも、ユニフォームを夏用に替える人が、ちらほらいました。今日は金曜日で、朝から仕事でした。日中は十八度ほどで、くもり空。朝はまだ三度台まで冷えていたので、羽織りものを手放せませんでした。
仕事のあとに実家へ寄って、母と衣替えをしました。母は八十二歳になり、箪笥の上の段に手が届かなくなってきています。私が踏み台に乗って、冬のセーターを下ろし、夏の薄いものを出しました。母は椅子に座って、「これはまだ着られるかしら」と一枚ずつ眺めています。急ぐ様子はなく、私もゆっくりつきあいました。
引き出しの奥から、母が若いころに仕立てた、小さな花柄の木綿の着物が出てきました。いまは着ないそうで、「布は、あなたが使いなさい」と言ってくれました。パッチワークの教室で習ったばかりの私には、宝物のような布です。やわらかく色が褪せていて、小さな花が並んでいます。
帰りの車の中で、この布をどのブロックに入れようかと、もう考えていました。まずは小さなポーチから作ってみようかと、うきうきしています。衣替えなのに、荷物が増えました。
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