くろが雪を見ている
朝、雪かきを終えて家に入ると、くろが玄関の上がり框にいた。ひどく真剣な顔で、ガラス戸の向こうを見ている。昨日は大雪で、今日も降り続いている。外は一面、白い。
くろは3歳になった。子猫のころは、初めての雪に、前足をそっと出しては引っ込めていた。今年は慣れたのか、見ているだけだ。ただ、尻尾の先だけが、時々ぱたりと動く。あれは、雪の粒を目で追っているのだと思う。追うのに忙しいので、私が靴の雪を払っても、振り向かない。
猫は寒がりだというが、くろは意外と、廊下の冷たい床で寝ている。ストーブの前を空けておいても、そちらには来ない。理屈が合わないので、しばらく観察した。どうやら、私が座るこたつの近くが一番、という結論になった。暖かさより、人のいる場所を選んでいるらしい。順序立てて考えたわりに、答えは単純だった。
夕方、仕事から帰ると、車庫の屋根から雪が落ちた音で、くろが飛び上がっていた。その後は、何もなかった顔で、毛づくろいをしていた。こちらも見なかったことにして、夕飯の支度をした。
コメント
ろくさん
目は真剣なのに、尻尾だけ正直なんだ。見ていて飽きない。
目は真剣なのに、尻尾だけ正直なんだ。見ていて飽きない。
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尻尾だけ動くの、かわいいですね。雪の粒を目で追ってるって読むと、なおさら想像できます。