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ぱちん

じいちゃんの角を取った日

· カテゴリ: 家族・子育て

日曜に、祖父の家で久しぶりに一局指しました。ぼくが先手で、祖父は居飛車、ぼくは四間飛車にして、駒落ちではない普通の平手です。祖父は七十六歳ですが、指す手はあまり遅くならないんだよね。目を細めて、盤を見たまま湯のみに手を伸ばす。あの感じは、小さいころから変わっていません。

中盤で、祖父の角が見えているのに気づきました。ぼくの飛車の前に出てきた角で、一応、取れる形でした。ただ、取ったら何かあるんじゃないかと思って、五分くらい考えた。考えすぎて、お茶がぬるくなりました。結局、取りました。それで、何も起きなかった。祖父はふっと笑って「ようやく取ったな」と言っただけでした。

罠だと思い込んでいたのはぼくの方で、祖父はたぶん、ぼくが取るかどうかを見ていたんだと思います。まあ、そこから先は普通に押し切って、ぼくの勝ちでした。でも勝った気がしないというか、地味に悔しい勝ちというか、うまく言えません。

帰りのバスの中で、あの五分はなんだったのかなと考えていました。自分の読みを信じ切れないところは、プラモの塗装でも同じです。吹く前にあれこれ迷って、結局いつも同じ色になる。次は迷わず取る、と書いておきます(笑)。

将棋祖父日記

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