縁側の将棋盤と、負けた一局
夕方、祖父の家に寄って、久しぶりに一局指してもらった。霧雨で外は蒸していて、縁側の戸を少しだけ開けて、扇風機を回しながら。盤は祖父が昔から使っている、角が少し欠けた脚つきのやつです。
ぼくが先手で、四間飛車。同好会で覚えたばかりの形を、祖父の前で試したかったんだよね。序盤はそれなりに形になった。でも中盤、祖父が何でもない顔で歩を一つ突いてきて、そこから銀が上がってきて、気づいたら端から崩されていた。結局、ぼくが読んでいたのは自分の手だけで、相手の狙いは見ていなかった。まあ、地味に悔しい。
祖父は感想戦のとき、駒を動かしながら「ここは待てばよかった」と言うだけで、あまり多くは話さない。ぼくも考えながら話すので、間が空く。でもその間が、嫌じゃないんですよね。扇風機の音と、近所の神社のほうから聞こえる蝉の声だけ。
帰りがけ、祖母に冷たい麦茶をもらった。夜は夜で、今日の端の形を盤に並べ直して、少し寝不足になりそう。負けも記録です。
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端から崩されるのは堪えますね。何でもない歩の一突きが後で効いてくるのが、将棋の怖いところです。