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おみき

釜の音を聞いておけ、と言われた

· カテゴリ: 仕事・学校

今朝は、雪は止んでいたけど、蔵の中はまだしんと冷えていた。釜屋は湯気があるぶん、いちおう暖かい。冬の間この担当なのは、たぶん得だ。

蒸しが進んでいるとき、杜氏さんが隣に来て、ぼそっと「音を聞いとけ」と言った。釜の湯が沸く音と、甑(こしき)の上から抜けていく湯気の音は、蒸しの具合で、少しずつ変わるらしい。昔は時計より、耳と鼻で見ていた、という話だった。杜氏さんが若いころ、先代の杜氏さん(師匠の師匠、だったかも。うろおぼえ)に、一番最初に教わったのが、それだったそう。

それで、ぼんやり耳を澄ませてみた。ぼくは目は悪いけど、耳だけはわりといい。ごうごう、の奥に、しゅう、という細い音が混じっていて、それがだんだん軽くなっていく、みたい。これかなあ、と聞こうとしたら、杜氏さんはもう麹室(こうじむろ)の方へ行ってしまっていた。答え合わせは、たぶん明日もできる。

そういえば、祖父と最初に参った県南の古い大社にも、釜の鳴る音で吉凶を占う神事がある(『雨月物語』にも出てくる、わりと有名なもの)。祖父の記録帳にも「釜鳴り、音で占う」と、鉛筆で書いてある。音を聞いて、目に見えないものを読む、というのは、神社でも蔵でも、昔からやってきたことなのかも。不思議な縁、というほどでもないけど、なんか嬉しかった。

まあ、湯気で眼鏡が真っ白に曇るので、耳に頼るしかない、というのもある(笑)。

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コメント

やまぶし 2026-01-27
鳴釜の神事ですね。釜が大きく長く鳴れば吉、と伝わっています。おじいさまの鉛筆の一行、よく覚えていましたね。
ぽんかん 2026-01-28
雪のあとの蔵は冷えますね。眼鏡が曇ったまま歩くと危ないので、足元に気をつけてね。
さかずき 2026-01-27
音が軽くなっていくのがわかるって、すごい耳ですね。明日の答え合わせ、結果が気になります!
おみき(投稿者) 2026-01-28
明日、杜氏さんがつかまればいいのだが。麹室に行かれる前に聞いてみる。

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