霧雨の日曜、砥石を出した
朝から霧雨だった。降るというほどでもなく、庭の木がしっとり濡れている程度。星も見えないし、犬の散歩も短めに切り上げて、午前中は作業小屋にこもることにした。
砥石を出して、鉋と鑿を研いだ。平日は現場で使うだけで精一杯で、刃の手入れはどうしても後回しになる。裏を出して、刃先を当てて、角度を崩さないように前後に引く。水が濁ってきたら流して、また当てる。これを繰り返していると、頭の中が静かになってくる。星を見ているときと、少し似ている。
研ぎ終わった鉋で、端材の杉を一枚削ってみた。薄い削り屑が、ふわっと長く出た。向こうが透けるくらいの薄さで、これが出ると朝から湿っぽかった気分が、すっと晴れる。削り屑は、そのまま焚き付け用の袋へ。次のキャンプで使う。
昼前に長女がのぞきに来て、「それ、何が違うの」と言う。違いは触ればわかるよ、と端材を渡したら、しばらく頬に当てて「つるつる」と言っていた。長男は削り屑を頭に載せて遊んでいた。
夕方には道具を拭いて、椿油を薄く引いて片付けた。来週からまた現場。刃が揃っていると、それだけで月曜の足取りが違う。
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