雨は、いちばん正直な検査員
昨日から二日続けての雨で、改修中の現場では、外壁の塗装が今日も見送りになりました。工程表に鉛筆で矢印を一本書き足し、職人さんに電話を三本かけて、来週の段取りを組み直します。この組み直しは、頭で考えるより先に、もう手のほうが覚えています。
その代わり、雨の日にしかできない仕事もあります。新しく取り付けたサッシの下端と窓まわりを、横から吹きつける雨のなかで、懐中電灯を当てながら一か所ずつ見て回りました。散水試験よりも本物の雨のほうがよほど容赦がありません。つまり、雨はいちばん正直な検査員というわけです。染みは一つもなく、袖口がびしょ濡れになったぶんは、検査料として納めておきます。
昼休みに、よその市で塗装工事の入札の値段が業者側に漏れていたという話を読みました。こちらは晴れ間の予報ひとつ当たらず、塗装の日取りすら決められないというのに、あちらは値段のほうが先に分かってしまうのですから、世の中はうまくいかないものです。うらやましい、とは申しませんが(笑)、図面も工程も、やはり正直に引くものですね。
帰宅すると、ぜんざいはいつもの玄関ではなく、リビングの窓際に座っていて、雨粒がガラスを叩くたびに、耳だけがくるりと動いていました。わたしも耳はいいほうですが、こればかりは猫にかないません。明日の天気を聞いてみたところ、返事は大きなあくびがひとつだけで、予報士としては、まだ見習いのようです。
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