封筒の中の、十六万円
初めての給料が出ました。振込なので、手元に来たのは明細の紙だけですが、印字された数字をしばらく眺めていました。手取りで十六万円。入社して数日分のはずなのに、会社の都合で四月分が先に出たようで、なるほど、と思いながら、とりあえず大事にしまいました。
帰ってから母に報告すると、母は「あら」と笑って、少しだけ目を潤ませていました。家には毎月五万円を入れる約束で、来月からでいいと言われましたが、今月も渡すことにしました。夕飯の席で弟が「消費税、上がったのに大丈夫?」と言うので、たしかに牛乳も卵もこの週は少し高くなった気がする、と答えました。十八歳の言う台詞ではないですね(笑)。
使い道は、まだ決めていません。ひとつだけ、帰りに喫茶店で父と母のコーヒーを買いました。四百円ほどの安い買い物ですが、父は無言で二口ほど飲んで、よしとします、という顔をしていました。
外は朝から小雪で、四月の雪は地面に着く前にほどけてしまいます。
最初の日 数字になった 一日を 雪がほどいて 春へ流した
明日は日曜なので、貯金の口座にいくらか移しておくつもりです。
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