弟が、黙ってココアを置いていきました
昨夜は、宿題が終わらなくて、一時を過ぎても机にいました。文芸部に出す短歌が、五首のうち三首しか決まらなかったのです。
十二時半ごろ、ドアが少しだけ開きました。弟でした。十四歳になって、声が低くなって、ひょろひょろと背だけ伸びています。何も言わずにココアを机の端に置いて、そのまま戻っていきました。ありがとう、と言う前にドアが閉まりました。
なるほど、と思って、しばらくカップを眺めていました。湯気が眼鏡を曇らせて、一瞬、何も見えなくなったのは、ちょっとおかしかったです(笑)。
今朝、母に聞いたら、弟は「姉ちゃん、まだ起きてるっぽい」とだけ言って、自分で台所に立ったそうです。口数の少なさは、たぶんわたしと同じです。今日は近所の後ろ山の方まで、朝の空気を吸いに行きたかったのですが、寒くて、窓から見るだけにしました。最高気温は十度ほど。くもりでも、冬の空は、しんとしています。
残りの二首は、まだです。とりあえず、ココアの分だけは、よしとします。
夜ふけ過ぎ 言葉のかわりに 置かれたる 甘いカップの 白いぬくもり
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