雪の火曜、小屋で鑿を研いだ
朝から雪だった。屋根に上がる仕事は無理だなと思って、外の現場は延ばしてもらい、今日は小屋で造作の下ごしらえをした。
昼前に、鑿(のみ)を三本研いだ。日曜に手入れしたばかりなのに、杉の節にあたって刃が少し欠けてしまった。父から受け継いだ一本は無事で、自分で揃えた方が欠けるのだから、まぁ、まだ腕が足りないということだ。
砥石の水がしゃっこい。右手首にサポーターをして、ゆっくり押した。刃の裏を出してから表を寝かせて、研ぎ終わりに爪にのせて引くと、ひっかからずに止まる。この感じは四十年たっても変わらない。小屋の窓の外を雪が斜めに降っていて、ストーブの上のやかんがずっと鳴っていた。
夕方、削りくずを掃いて早めに上がった。夕飯は大根の煮物と味噌汁で、晩酌は一合だけ。夜は雲が厚くて星は見えないので、刺し子の続きをした。ふきんの一列が、あと三目で終わるところまできた。手を動かすしかない。
猫は、ストーブの前からずっと動かなかった。
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