雪囲いの縄が、一本たりなかった
朝から大雪だった。仕事は休みにして、庭の雪囲いがどうなっているか、傘もささずに見に出た。
十一月のうちに、庭木には縄をかけてある。毎年のことで、父のやり方のまま、竹を立てて縄を三か所で結ぶ。結び目は固くしすぎないで、雪の重みで枝が折れないように、少し遊びを残す。これは父に何度も言われたことだ。
それが、南の隅の一本だけ、縄が足りなかった。去年のあまりを数えて、一本たりないまま結んでしまったんだな。気づいたのは今日で、枝が一本、雪を載せて下がっていた。折れてはいない。小屋から縄を持ってきて、雪をはらってから結び直した。指先がしゃっこいので、手首のサポーターの上から手ぬぐいを巻いた。
母は毎年、囲いができあがると縁側から眺めて「ご苦労さん」と言った。それだけだった。今年は縁側に誰もいない。実家の庭も明日あたり見に行かないとだめだが、まぁ、この雪では午後も外には出られないか。
昼は味噌汁にした。ぬかは、こたつの端から動かない。縄は来年、二本多く買っておくことにして、メモ帳に書いた。
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