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かよ

雪の日、父は窓の前にいた

· カテゴリ: 家族・子育て

朝起きたら、外は一面の雪だった。昨日までの霧雨が、夜のうちに変わったみたいだ。出勤は、とりあえず車をいつもより早く出すことにした。

玄関を出る前に、父が居間の窓の前に立っているのが見えた。杖を片手に、じっと庭を見ている。右手が不自由になってから、朝の父はこうして動かない時間が長い。声をかけたら「滑るけん、今日は出んわ」とだけ言った。わたしが言う前に、自分で決めていた。まあね、五年前の父なら、雪かきを始めていたと思う。

帰りが遅くなったので、夜に母から聞いた話を書いておく。昼間、父は廊下の手すりを伝って何度か往復していたそうだ。リハビリの先生に言われた歩数を、数えながら。母は「黙って歩いとるだけん、止めもできん」と笑っていた。台所で見ていた母のほうが、きっと疲れている。

夜、湯のみを持って居間に行くと、父はテレビで能登のニュースを見ていた。何も言わないけれど、画面から目を離さない。しばらくして「寒いだろうなあ」と一言。わたしも同じことを思っていた。

仕事柄、雪の日の転倒は人ごとではないので、明日の朝は玄関の床をもう一度拭いておこうかな。父の杖は、いつもの場所に立てかけてあった。

父雪雑記

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