古い切手帳の、いちばん端っこの一枚
夜勤の前に、切手帳をひらいた。小雨で風も強かったので、出かける気になれなかっただけなんだけどね。
父が出してくれた古い切手帳は、ページの端のほうに、ずっと気になっている一枚がある。額面の小さい、くすんだ色の普通切手。台紙にうっすら茶色のしみがあって、ピンセットでつまむのをためらってしまう。きょうは思いきって、拡大鏡で目打ちを数えてみた。ふちの歯が一つ欠けているのが分かった。ほんの小さな欠けだから、言われなければ気づかないレベルです。でも気づいてしまうと、もう目がそこにいく。
こういうのは、値打ちがあるかどうかとは別の話だわね。父は何も言わずに帳面を渡してくれただけで、どこでどう手に入れたのかも聞いていない。聞いたら「忘れた」と返ってくる気がする。まあね、それでもいいかなと思っている。
結局、欠けた一枚は外さずに、そのまま見開きの端に残した。帰りに近所の郵便局で、年賀はがきの余りがないか聞いてみようと思う。夜勤明けの楽しみが一つ増えた。それだけで、ちょっと元気が出る。
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