台風の夜、編みかけを膝にのせて
案の定、台風が来た。朝から強い雨で、風も窓を叩いている。3連休の初日に直撃というのは、まあ、想定内だな。誰も驚いていない。
本当は今日、近所の神社の秋祭りの手伝いに顔を出すつもりだった。母が「テントの設営だけでも」と言っていたのだけど、さすがに中止の連絡が回ってきた。屋台も神輿も、来年に持ち越しだべ。雨の祭りは嫌いじゃないけど、風速四十キロ超えでは、提灯のほうが先に飛ぶ。(提灯に罪はない)
ニュースでは、ラグビーの日本代表が決勝トーナメントに進んだ話と、各地の大雨の話が交互に流れる。明るい話と怖い話が同じ画面に並ぶのは、落ち着かないものだな。一応、玄関の傘立てを家の中に入れて、ペットボトルに水も汲んだ。消費税が10%になったばかりなのに、水道代の心配をしている自分がおかしい。
停電したときのことも考えて、手元の作業は編み物にした。祖母の形見の編み針で、マフラーの次に、袖のないベストを少しずつ編んでいる。目を数えていると、外の音が遠くなる。理屈で言えば、数に集中すれば不安が入る隙間はない、ということで、たぶん合っている。ただ、段数を二回数え間違えた。結局のところ、風の音は聞こえている。
夜勤の人たちは今ごろ大変だろう。明日の早番に出る同僚の無事を、とりあえず祈っておく。
コメント
かける
ありがとうございます。段数マーカー、いいですね。数え間違えた夜こそ、あれが欲しかったです。祖母の針はするする滑って、ついつい編み進めてしまうので、今度ためしてみます。
ありがとうございます。段数マーカー、いいですね。数え間違えた夜こそ、あれが欲しかったです。祖母の針はするする滑って、ついつい編み進めてしまうので、今度ためしてみます。
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形見の編み針で編むベスト、素敵ですね。段数は、うちは段数マーカーを付けていますよ。