見積書の「御中」と「様」で、十五分
入社して、もうすぐ三年になります。いまだに、書類を一枚出すたびに、小さな発見があります。今週は、海外向けの見積書の宛名で、先輩に直されました。
宛名を「Dear Sir」で始めていたんですよ。相手の担当者の性別を、ぼくが確かめずに決めていたわけです。先輩いわく、名前が分からないときは「Dear Sir or Madam」か、部署宛てにするのが無難とのこと。たしかに、名前だけでは男女の見当がつかない国の方も多いですね。要するに、知らないことを知らないまま書く、その書き方を覚えるのが仕事なんだなあ、と思いました。
余談ですが、日本語の「御中」と「様」の使い分けも、英語に直そうとすると、ぴったり合う言葉がありません。「御中」は組織宛て、「様」は個人宛て。これを一語で言い分ける英語は、ぼくの知るかぎり見当たらないんです。"Attn." を使う手はありますが、あれは「宛て」の意味に近くて、敬意の段差までは運んでくれません。辞書を三冊引いて、十五分かかりました。余談でした。
結局、宛名は部署名にして、担当者の名前が分かる案件だけ個人名にしました。直した書類は、そのまま今日の午後に送りました。まあ、これも勉強のうちです。
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三冊も引いたんですね。私も辞書で脱線しますが、「御中」を一語で言い分ける英語がないのは、初めて知りました。