縁側の板を、1枚だけ替えた
縁側の板が1枚だけ沈んでいた。気づいたのは、ごまの爪の音がそこだけ違っていたからだ。2歳になったごまは、家の中の音の違いを、たぶん自分より先に拾う。
朝は霧雨で、漁は日曜だから休みだった。8時から作業を始めて、板をはがすと、下の根太が少し湿っていた。理由は、たぶん雨ではない。床下に風が通っていないせいだ。つまり板を替える前に、風の道のほうが悪かったことになる。
父は縁側に座って、黙って見ていた。口を出したのは1回だけで、「釘は、ステンレスにしとけ」と言った。たぶん正しい。ホームセンターで買った厚さ18mmの杉板は1枚480円ほどで、釘は手持ちの鉄を使うつもりだったが、結局買い足しに行った。
湿った根太は乾いた布でふいて、板の寸法を測って切った。長さは1820mm。1mm単位で測ったはずなのに、はめてみたら2mm足りなかった。原因は測り方ではなく、鋸の刃が削る幅を見ていなかったことだ。品質管理をしていた人間の仕事ではない(笑)
最後に、ごまが新しい板の上で寝た。木の匂いが気に入ったらしい。昼前に、ほかの板との色の差を見た。杉の新しい白さは、まだ浮いている。1年もすれば馴染むはずだ。
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