御朱印帳の1ページ目
御朱印帳を買った。紺色の布張りで、880円。神社めぐりを始めて3か月になるので、やっと、という順番である。
買うのが遅くなった理由は、参拝の前に帳面を持つと、気が急いてしまうからだ。先に手を合わせて、帳面はそのあとにする。自分で決めた手順だが、人に言うほどのことでもない。
1ページ目は、近所の八幡さまにした。社務所で、紙に書いてもらうまで5分ほど待った。墨の匂いがして、筆の運びは見ていて飽きなかった。「奉拝」の字、日付、社名の順に、迷いなく入っていく。日付は平成26年7月。朱印の押し方は少し斜めで、たぶん、それも含めて一枚なのだろう。
書いてくれた方に、応神天皇を祀る土地の氏神だと教えてもらった。帰ってから調べると、八幡の信仰はもともと九州の宇佐の神に由来するらしく、それが全国に広がって、土地ごとの氏神になったという。つまり、自分が堤防へ行く途中で毎朝前を通っている小さな社も、その一つだ。何年も通っていて、社名を読んだのは初めてだった。
今日は朝から強い雨で、漁は休みになった。帳面を開くと、墨はもう乾いていた。魚は上がらなかったが、紙には上がった。
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墨の匂いは、不思議と落ち着くものですな。迷いなく入る筆を待つ五分は、悪くない時間でしょう。