おかんの弁当に、梅干しがひとつ
雨。朝から土砂降りや。自転車はあきらめた。カッパ着て、店まで歩いた。
家を出る前、台所をのぞいた。おかんが卵焼きを焼いとる。うちのは、だしがきいとる。甘さは控えめ。おれは甘いのが苦手や。ちょうどええ。
おかんが言う。「あんた、昔は砂糖入れてほしいって言うてたで」。ぜんぜん覚えてない。
毎朝の弁当、あたりまえやと思とった。チーフになって、店で賄いを作る側になった。そこで、やっとわかった。毎日おなじ時間に、おなじように作る。むずかしいわ。
今日の卵焼き、はしっこが少しこげとった。それがまた、すごいうまかった。
昼、弁当をあけた。ごはんのまんなかに、梅干し。ぽんと一つ。これだけで元気出る。
帰ったら、ちゃんと「ごちそうさま」言う。まあ、ええわ。やっぱ、おかんの弁当や。
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