引き出しの底の、領収書
朝から雨でした。水曜は定休日なので、きょうは夜になってから、夫の部屋の引き出しをひとつだけ開けました。
四十九日までに、少しずつ片づけようと思っていたのですが、手はなかなか向きませんでした。作業着は、まだそのままです。この日は、机の右下の引き出しだけと決めました。出てきたのは、ねじや小さな工具、使いかけの鉛筆、日曜大工の図面を書いた方眼紙。そして底のほうに、輪ゴムでとめた領収書の束ですね。
ホームセンターのものばかりでした。庭の棚の木材、蝶番、塗料。日付を見ていくと、わたしが古道具の棚を蔵につくりたいと言った年の春のものが、ありました。棚板の寸法が、鉛筆で端に書いてあります。
蔵の棚は、今も毎日見ているのに、
あの人が測った数字は、
はじめて見ました…
捨てるものと残すものに分けていると、いつのまにか手が止まっていました。結局、領収書は一枚も捨てられず、方眼紙と一緒に、蔵の棚の引き出しにそっとしまいました。片づけは、思うように進みません。ただ、急がなくてよいのでしょう。雨の音を聞きながら、しずかにそう考えていました。
コメント
ちどり
鉛筆の数字を見て、手の動かし方まで思い出しました。棚の引き出しに、静かに収まっています。
鉛筆の数字を見て、手の動かし方まで思い出しました。棚の引き出しに、静かに収まっています。
あやめ
領収書、私も捨てられないと思います。急がなくていいですよ。お疲れさまです。
領収書、私も捨てられないと思います。急がなくていいですよ。お疲れさまです。
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棚板の寸法を鉛筆で端に書く。大工仕事の人の癖ですね。方眼紙と一緒に蔵の棚にしまわれたのは、いい納め場所だと思います。