発見されるまで何日かかるか、賭けたろか
昼間、母のとこへ行ってきた。窓から日ぃ差して、ええ天気やった。母は俺の顔を見て、ちょっと考えてから「お父ちゃん」言うた。もう訂正もせえへん。
帰って焼酎の水割り作って、ふと考えた。俺がこの部屋で死んだら、誰が見つけるんや。派遣先は三日来んかったら「あいつ飛んだんちゃう」で、ハンディの登録消して終わりやろ。派遣元の営業は半年に一回の「お変わりありませんか」を留守電に吹き込むだけ。変わっとるわボケ、腐っとるんじゃ。
ほんで大家や。臭いが廊下に出て、隣が苦情入れて、やっと合鍵。あのハゲは死体より先に床の染み見て、敷金の計算しよるで。特殊清掃、床の張り替え、全部引いてマイナスや言うて、兵庫の妹に請求書送りつけるんや。人の死に値札つけて飯食うとる。ご立派なこっちゃ。
想像の中の俺は、布団の上で腹ふくらまして、蠅にたかられとる。枕元には開けたまんまの再検査の封筒。尿酸値も肝臓も血圧も赤字。医者も会社も役所も「せやから言うたのに」て顔するやろ。言うただけやんけ。紙一枚寄越して、あとは自己責任で丸投げや。その言葉考えたカス、墓の下まで追いかけて、毎晩耳元でわめいたる。(鼻で笑う)死んだあとも飲食料品の値上げは続くらしい。俺のおらん世の中で、醤油も味噌もちゃっかり高なっていく。しらんがな。
最後にひとつだけ言うとく。昔、面接で「君の代わりはいくらでもいる」言うたあのクソ。ほんまに代わり連れてこい。俺の腐った跡、そいつに這いつくばって拭かせたるわ。
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