仕事のない八月の朝に
朝六時、霧雨の中をむぎと歩きました。傘をさすほどでもなく、フードをかぶって、堤防の手前の八幡さまの前まで。お盆を過ぎて、朝の空気がほんの少しやわらかくなりましたね。むぎは濡れた草の匂いを、ずいぶん熱心に調べていました。
信用金庫を辞めて、もうすぐ五か月になります。朝になると、まだ体のほうが先に「八時半」を思い出しよる。目が覚めて、ああ今日は行かんでええんやなあ、と布団の中で少し考えます。さびしいかというと、そうでもないんです。ただ、窓口で人と話していた毎日が、急に遠くなった感じはあります。通帳の数字を見るたびに、取り崩しよるなあと思います。
祖母は今朝も、よく眠っていました。起こして、着替えを手伝って、おかゆを食べてもらう。抱え起こすたびに腰が重くて、これは最初の頃より、かえってこたえますね。それでも祖母が「ありがとう」と言うのを聞くと、辞めたことは間違いではなかったと思えます。(まだ、ときどき迷いますけど。)
午後は兄が顔を出してくれる予定です。その間に、むぎともう一度、短く歩けたらええか。ぼちぼちやっていきます。
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