祖母の「あの時刻」
昨夜、夕ごはんのあとに、祖母から昔の汽車の話を聞きました。祖母は86歳です。ええと、正確には、私が「戦前に島に鉄道はあったのか」と尋ねたのがきっかけです。仕事で古い道路の資料を読んでいて、気になっていました。
祖母の答えは、こうでした。「あったさあ。朝の7時すぎに、荷物をのせた小さい汽車が通って、その音で畑に出る時間がわかったよ」。7時すぎ、というのが曖昧で、私は「何分ですか」と聞き返してしまいました。祖母は笑って、「分までは覚えてないよ」と言いました。父は黙って新聞を読んでいましたが、肩が少し揺れていたので、たぶん笑っていたのだと思います。母は「康弘は、すぐ時刻を聞くからね」と言って、お茶を足してくれました。
ちなみに、島の軽便鉄道は戦火でほとんど失われたと、図書館の本で読んだことがあります。祖母が聞いた音は、その最後のころのものになるはずです。祖母の話では、汽笛は二度鳴ったそうです。一度目が出発、二度目が踏切の手前。本当にそうだったのか、裏づけは取れていません。
今日は朝から小雨で、降水量も12mmありました。窓の外を見ながら、祖母の「7時すぎ」を、いつか時刻表で確かめられないかと考えています。分まで書いてある資料があれば、いちばんいいのですが。まずは、祖母の話をメモに残しておきます。
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| 縁側の祖母と、午前9時10分 » |
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