座布団がひとつ、空いたままの場所
祖母が亡くなって、ひと月とすこしになります。春場所は初日が明後日で、番付はもう出ている。テレビの前の座布団は、まだ片づけていません。
祖母は毎場所、決まった位置に座布団を置いて見ていました。画面から二メートルくらい。(近いと目に悪いはずだけど、本人は気にしていなかった)ぼくは斜め後ろ、こたつの端。これが十年以上、ほぼ変わらない配置でした。取組の合間にみかんをむいてくれて、むくのが妙に上手いんだよな。皮が一本につながる。
相撲の見方は、だいたい祖母に教わりました。たとえば、仕切りの間に力士が塩をまく理由とか、行司の軍配の握り方とか。いや、教わったというか、横で勝手にしゃべっていたのを聞いていただけではある。「あの子は腰が高い」と毎回言うので、実際に高いのかどうか、いまだに自信がない。知らんけど。
今日は小雨で、家の中がしんとしていました。母が来て、祖母の家は当面そのままにしておくと言っていた。空き家になった家の座布団は、たぶん湿気る。さすがに、取りに行かないといけない。
初日は、ぼくの家のテレビで見ます。座布団はひとつ、ぼくの後ろに置いておく予定です。誰も困っていないけど、まあ、そうしたいので……という話です。
コメント
しこな
一本につながると、むいた本人が少し得意げでした。初日は、その座布団の前で見ます。
一本につながると、むいた本人が少し得意げでした。初日は、その座布団の前で見ます。
れいじ
座布団、そのままで大丈夫だと思います。初日、ゆっくり見てください。
座布団、そのままで大丈夫だと思います。初日、ゆっくり見てください。
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みかんの皮が一本につながるのは、本当に上手な方ですね。初日、お祖母さまもきっと同じ座布団の位置から見ておられますよ。