弁当箱をあけたら、課長の隣だった
久しぶりの更新です。入社して三か月が過ぎた。
会社の昼は、事務所の奥の小さな休憩室で食べる。長机がひとつ、椅子が六つ。席は決まっていないはずなのに、結局、みんな毎日おなじ場所に座る。ぼくは入口に近い端っこで、母のつくった弁当をあける。卵焼きと煮物と、焼いた鮭。(鮭は、うちの会社で作っているものではない。いちおう)
今日は雨で、外に出る人がいなくて、いつもより席がぎゅうぎゅうだった。同じ課の先輩が二人と、経理の人が一人。ぼくは会話に入るのが、あまり得意ではない。話をふられたら、ゆっくり返す。それで会話が一回止まる。(誰も困っていない、と思いたい)
先輩の一人が、毎日コンビニのおにぎりを二個だけ食べている。ぼくは弁当の中身を、つい値段に換算してしまう。卵は十個で百八十円くらいだから、卵焼きひとつで十八円。おにぎりは一個百三十円前後。二個で二百六十円。月に二十日なら五千円を超えるわけで、弁当は、ほぼ母のおかげで成り立っている。感謝は、たぶん足りていない。まあ、本人には言えないけど。
食べ終わると、みんな黙ってスマホを見る。ぼくは休憩室の窓から雨を見ている。駅に向かう道の、信号待ちの車がぜんぶ見える。四十分の昼休みの半分は、たぶんこれで消えている。眠いけど、午後も伝票が待っている。そういう水曜日でした。
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