妹の白衣姿を見ました
今日は小雨でした。仕事へ行く前に実家に寄って、妹が出勤するところに少しだけ会いました。
妹は四月から病院で看護師をしています。大学を出たばかりで、まだ新人です。髪を後ろで結んで、靴をそろえて玄関に立つ姿は、制服のせいか、ずいぶん大人に見えました。「行ってくるね」と言う声は、いつもと同じ明るさでした。
夜勤が始まってからは、生活の時間がばらばらになったそうです。母は、妹の帰りに合わせて起きたり、先に寝たりと、少し忙しそうです。妹本人は「覚えることが多すぎる」と言いながら、患者さんの名前や、先輩に教わったことを、小さなメモ帳に書き留めていると話していました。そのメモ帳は、白衣のポケットに入るサイズでした。
私の仕事とは、時間帯も忙しさも違います。それでも、新しい職場で失敗して、次の日にまた立つところは、似ているなと思いました。そう伝えると、妹は「お兄ちゃんみたいなこと言う」と笑っていました。私は兄ではないのですが、と思いながら、黙って頷きました。
帰りぎわ、父が静かに「気をつけて」とだけ言いました。妹は手を振って出ていきました。私も傘を持って、店へ向かいました。
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