日曜の夜、コインケースを開けた
霧雨の日曜だった。蒸し暑くて、洗濯物が乾ききらないまま夕方になった。出かける気も起きなくて、夕ごはんのあとに二階の部屋でコインケースを開けた。
兄がくれた外国のコインを、ひさしぶりに出してみた。ずっと同じ場所にしまってあるのに、見るたびに少し色が違って見える。老眼鏡がないと細かい刻印が読めなくなったけん、机のライトを近くまで引っぱってきた。縁の模様をなぞっていたら、三十分くらい経っていた。まあね、いつものことだわね。
日本の古い硬貨のほうは、ケースの並びを少し直した。年号順にしていたつもりが、二枚だけ入れ替わっていた。自分で並べたのに気づかないものだなと思う。直したら、すっきりした。
缶チューハイを一本だけ開けて、窓を少し開けた。ちびは机の端で丸くなっていて、コインを動かすたびに耳だけ向けてくる。明日からまた平日だけん、そろそろ寝る支度をしないと。でも、もう少しだけ眺めていたい。
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