霧雨の土曜、おかゆと梅干し
夜勤が明けて、昼前に帰ってきた。霧雨で、傘をさすほどでもないけど、髪がじっとり湿る。そういう日。
家に着くと、母がおかゆを炊いてくれていた。昨日からの雨で、わたしの顔色が悪く見えたらしい。目の下のくまは、まあね、いつものことだけん。梅干しと、ほうれん草のおひたしと、焼いた塩鮭を少し。夜勤明けの胃には、これがいちばんだわね。
梅干しは、去年の夏に母が漬けたもの。しょっぱさの角が取れた味になっていて、ひと粒でおかゆが一杯すすむ。父は向かいで、黙って同じものを食べていた。この人は、おいしいとは言わない。でもおかわりをするから、それが答えなんだと思う。
食べ終わってから、切手帳を少しだけ広げた。眠いのに、台紙の上で切手の位置を直していたら三十分たっていた。とりあえず布団に入ったけど、窓の外はずっと雨の音。
震災のあと、スーパーの棚がすかすかだった頃を思うと、炊きたてのごはんが普通に食べられる、それだけでほっとした。ありがとうって、母にちゃんと言ったかな。言ってない気がする。夕方に起きたら、言おう。
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