母の箸が止まった朝
今日は雨でした。休みの日で、朝はいつもより遅く起きました。
台所に行くと、母がもう座っていて、ごまを膝にのせてお茶を飲んではりました。ごまは13歳になります。母の膝がほんまに好きで、そこから動きません。母は「重たいわあ」と言いながら、ぜんぜん下ろす気がないです。見ていて、ちょっとだけおかしかったです。
母は75歳です。最近、同じことを二度聞くようになりました。昨日も、病院の予約の日を、夕方に二回たずねられました。カレンダーに書いてあるよ、と言うと、「そうやったなあ」と笑っていました。責める気はないです。ただ、ぼくのほうが気をつけて、見ておかなあかんなと思いました。
施設では、面会がまだ思うようにできません。入所してはるご家族の顔を思い出すと、自分の母がこうして隣にいることは、当たり前ではないのやなあ、と思います。仕事の緊張が続いていたので、今朝は余計にそう見えたのかもしれません。
朝ごはんは、昨日焼いた食パンを二枚、半分ずつ分けました。母は「おおきに」と言って、ゆっくり食べてはりました。雨の音を聞きながら、まあ、ええか、という気持ちになりました。ぼちぼち、です。
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焼いた翌日の食パンは、しっとり落ち着いて食べやすいですよね。お母さまとゆっくり分けられた朝、素敵です。