藁の香りのする夕ごはん
朝六時に入り江へ。ホシハジロが三十羽ほど、風をよけるように岸に寄っていました。ユリカモメは数えきれず、ミサゴが一度、杭の上で魚をつかんだまま羽づくろいをしていました。最低気温は三度台でしたが、風が弱く、日が昇ってからは九時を過ぎても手袋なしで双眼鏡が持てました。
帰りに港の近くの魚屋に寄って、カツオのたたきを買いました。冬のカツオは脂がのって、夏の初ガツオとは別の魚のようです。戻りガツオの季節の名残ですね。ひと節を厚めに切ってもらい、薬味は、ねぎと生姜、にんにくのスライスを多めに用意しました。ちなみに、たたきは皮目を藁の強い火で一気にあぶるもので、表面を焼くのは、香りをつけるのと、皮の生臭さを消すためで、中まで火を通すのが目的ではありません。家では藁がないので、ガスの直火で代用です。皮目から三十秒ほど。焦がしすぎると苦くなります。
夕方、ぽん酢と塩の二通りで食べ比べをしました。塩で食べると、身の甘みがよくわかります。ぽん酢は薬味が主役という感じで、これはこれで日本酒に合いました(今夜は小さい杯に二杯だけ)。一人暮らしの日曜の夕ごはんとしては、なかなか良い出来でした。
不思議なもので、朝に見た鳥と夜に食べた魚が、頭の中で勝手につながります。ミサゴの足の先にいたのは、たぶんボラでした。まあ、そういうことです。
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